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第5回:「AI開発パートナー」として使いこなすために

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第5回:「AI開発パートナー」として使いこなすために

はじめに

これまでの連載では、AIと協働する現場テクニックや、障害対応・品質改善の工夫など、具体的な活用例を紹介してきました。
最終回となる今回は、「AI開発パートナー」としてAIをどう使いこなすか、そしてAIと人間開発者がより良い関係を築くためのポイントや今後の展望についてまとめます。

※本文中のスクリプトやGitHub Copilotの回答は実際の開発時のものを抜粋して記載していますが、このまま書いても同じ回答が得られるとは限りません。ご了承ください。
※[開発者]はWebアプリの開発経験は豊富ですが、Flutterによるモバイルアプリ開発は初めての開発者です。
※本連載はAI利用の実体験にフォーカスしているため、Flutterなど技術的な詳細説明は省略しています。

GitHub Copilotと人間開発者の役割分担・要求される知識レベル

(AIがどんどんコードを書いてくれるけど、丸投げで良いものか…?)

開発者
開発者

 ポイント

- Copilotは、実装や修正といった“手を動かす”部分を素早く支援してくれますが、要件定義・設計・仕様判断・品質チェックなど“考える”部分はやはり人間が担う必要があります。
- また、AIからの提案の正しさを判断したり、補足説明を与えるには、一定レベルのプログラミング知識や設計力が求められます。
-「AIを使えば初心者でもOK」ではなく、「AIを使いこなせる人がより速く、より高品質にアウトプットできる」ことが現場での実感です。
- さらに、AIを有効活用するうえで開発者に求められるスキルも幅広くなってきていると感じます。たとえば、AIに適切な指示を出すためのコミュニケーション力、プログラミング用語を理解する基礎知識、そしてアプリケーションやシステムのアーキテクチャを理解する応用力などが必要になってきています。

会話の流れやAIの記憶の限界、言うことの変化

(前の会話で言ったルールをAIが忘れてる?さっきと違うことを言い出したな…)

開発者
開発者

 ポイント

- AIは一定量以上の会話や指示内容を記憶しきれなかったり、前回と違う提案を返してくることがあります。
- 会話が長くなった時や、ルール・要件が複雑な場合は、必要に応じて「コーディング規約を再度貼り付ける」「重要な前提をもう一度伝える」など、人間側から意識的に補足・リマインドすることが大切です。
- AIの“言うことが変わる”現象は、逆に複数パターンのアイデアを得るチャンスと捉えることもできます。ただし、AIも完璧ではなく、発言が変わるという性格を理解しておくだけでも、コミュニケーションの仕方が変わってくると思います。

全体像を説明しつつ、AIの“性格”を理解する

(この機能だけ説明しても、AIは文脈がつかめてない気がする…。めんどくさいけど、背景や理由を説明するか。)

開発者
開発者

 ポイント

- AIは部分的な指示には強いですが、全体像や開発コンセプトを伝えた上で個別のタスクを依頼すると、より的確な提案が得られることが多いです。
- 要件や背景を言語化するスキルも、開発者に求められるようになってきています。意識的に言語化することで、開発者自身の思考整理や、要件そのものの品質向上にもつながります。
- また、AIには「慎重派」「おせっかい」「独創的」など、バージョンやエンジンによって“性格”の違いも感じられます。
- 普段のやり取りを通じて、自分が使うAIの傾向や癖を把握し、それに合わせた指示や会話の工夫をしていくと、開発パートナーとしての信頼感が深まります。

多言語対応や翻訳時の工夫(直訳NG・ユーザー理解重視)

(アプリの多言語化…英語メッセージの自動翻訳をAIに頼んでみるか)

直訳ではなく、先ほど連携した要件を踏まえ、英語圏の利用ユーザーがわかりやすい英語の言い回しを使った翻訳をお願いします。
開発者
開発者

 ポイント

- AIによる翻訳や多言語対応も大きな武器ですが、「直訳」ではなく「ユーザーに伝わる表現」になっているかどうかを意識して指示を出すことが重要です。
-「このメッセージはネイティブにとって自然か?」とAIに追加質問したり、英語話者の同僚に確認してもらうなど、ユーザー目線での配慮が重要です。
- 文化や文脈に応じた翻訳・表現の最適化には、AIと人間の協力が欠かせません。

AIによる新規開発の効率向上(体感3~5倍)、短期間デモ開発の有用性

(Copilotと組んで開発したら、とにかく手が速い…!初期品質はさておき、とりあえず動くアプリならすぐに作れそう。)

開発者
開発者

 ポイント

新規開発やプロトタイピングの場面では、AIのサポートによって体感で3〜5倍(あくまで当社比ですが)のスピードで成果を出せるようになったと感じています。
アイデアをすぐに形にし、短期間でデモやPoC(概念実証)を作ることで、プロジェクトの意思決定や顧客へのプレゼンも格段にやりやすくなると考えています。
「まずは作ってみて、動くものを触りながら議論する」サイクルの中で、AIは開発チームの大きな推進力となります。

おわりに

全5回にわたって、AIを現場の“開発パートナー”としてどう使いこなすかをお届けしてきました。
ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。

AIは決して(現段階では)「魔法のツール」ではありませんが、適切な役割分担と会話を意識することで、開発現場に大きな変化と楽しさをもたらしてくれます。今後もAIとの“協働”を楽しみながら、より良いプロダクトやチーム作りに活かしていきたいと思います。

本連載が、みなさんがAIとともに新しい開発体験を始めるヒントになれば幸いです。

※本記事は当社による2025年のモバイルアプリ開発実体験を元に記載しています。日々、GitHub CopilotおよびAIエンジンは進化しているため、最新の状況とは異なる場合もあります。もっと良い活用方法があるかもしれませんが、あくまで一つの事例としてお読みいただけますと幸いです。


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